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ピロリ菌検査 マイコプラズマPCR検査機器スマートジーンを導入しました

[2025.04.07]

ヘリコバクターピロリ菌という、主に胃内に感染する細菌があります。胃潰瘍・十二指腸潰瘍・血小板減少症の原因となる細菌であり、また胃の遺伝子変化を誘発するため、胃がんの原因となる細菌です。

内視鏡検査を行い、その細菌の存在を調べるのですが、当院における従来の検査方法

(尿素呼気試験:u-bitと言います)では、下記の欠点がありました

  • 検査で咽頭麻酔をするので、この検査によってむせ(誤嚥)が生じる可能性がある事
  • 陽性であった場合除菌薬(抗生剤)を服用するのですが、約7%に一部の抗生剤が効かない耐性菌が存在します。この検査方法では耐性菌か否かの判定は不可能でした
  • 当院では尿素呼気試験の機械がないため、検査会社に委託していました。その為検査1週間後に検査結果を説明するために来院していただく手間がありました
  • PPIという胃薬を服用していた場合、検査感度が落ちるためPPIの内服を約2週間程度止める必要があります。胃薬を止めてしまうと当然のことながら腹部症状が出る可能性があります。

 

この欠点を克服するためこの度当院ではスマートジーンという、ピロリ菌を検出するPCR機器を導入しました(2022年発売の機器です)。この検査では

  • 内視鏡検査中に、胃液を採取することでピロリ菌の検査が可能となるため、患者さんの負担が軽減されます
  • 即日検査結果が出るため、同日に抗菌薬を処方できます。
  • 感度が高いため、少量のピロリ菌でも検出可能です
  • 耐性菌の判定が同時に出来るので、1次除菌・2次除菌の二度手間が無くなります

という利点があります

 

欠点としては

  • 検査結果が出るまで1時間程度かかる事(複数の患者さんがいらっしゃるとその分時間がかかってしまいます)
  • 検査中に検体を採取するので、あらかじめ検査することを伝えなければいけません
  • 数百円の自己負担金が上がります。
  • 内視鏡下に検体を採取するため、除菌判定には使えません(内視鏡を再度する事になってしまいます)

という欠点があります。

 

その為当院では2台導入し、検査時間の短縮が可能としました。

ご家族にピロリ菌がいらっしゃる方、検診で胃炎の診断を受けた方、腹部症状がある方は、内視鏡検査を受けたうえで、ピロリ検査を受けることをお勧めします。

 

またマイコプラズマ肺炎という、若年者に発生する肺炎があります。マイコプラズマは従来マクロライドという抗生剤が良く効いていたのですが、近日耐性菌が出現するようになり問題となっております。

 

この検査機器では、マクロライド耐性のマイコプラズマも検出が可能です。長引く咳がある場合、マイコプラズマの検査をすることをお勧めします。

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